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塾講師ママ中学受験サポート国語-合格だけでいいんですか-

塾講師ママ中学受験サポート国語-合格だけでいいんですか-

やればできる子を伸ばすために

■□「やればできる子」□■

懇談会で、よく聞く言葉です。「うちの子、やればできる子なんです。」
もちろん私もそう思っています。
でも・・・全員そうですよね?

学校では100点ばかりで、正直「できる子」だと思っていたのが、
塾に入って、100点なんて夢のまた夢、それどころか見たこともないような低い点ばっかりで・・・
今では悪い点に慣れてしまって、やる気も見られなくなってきた・・・
と落ち込んでしまわれることもあるかもしれません。

まずは、中学受験用の塾と、学校のテストには大きなちがいがあるということ。
受験用の塾では、「基本問題」とは言え、全員に正解させるつもりはない問題で、
学校のテストで言うと最後の問題にくるレベルであることもよくあります。
ひっかけのポイントが一つしかなければ、塾では「基本問題」です。
そして、最難関中学を希望する生徒にすら満点をとらせないつもりのテストですから、
最難関をねらっているのでなければ、満点を意識するのはいいことですが、
それが取れないからと言って落ち込むことはありません。
それに、通塾してしばらくの間はどうしても、今までの学校での生活が体に染み付いていますから、45分で(学校の先生によっては前後に雑談が入ったり、ゆっくりペースの子を待ってあげる時間などがあって、正味の授業時間はもっと短い場合もありますね。)集中力が切れるのは仕方ありません。塾での授業時間はそれよりもずっと長いことが多いですよね。
慣れるまではとりこぼしがあるのも仕方ありません。

集中力の維持や、授業のポイントのつかみ方や復習の仕方などが身につくまで時間がかかるということもありますから、半年ぐらいはぐっと待ってあげてください。
親の方が焦ってしまって、宿題の答えを横から口出ししてしまったり、あの子は○クラスにいるのに・・・とかプレッシャーをかけては、本人が自力で学習習慣を身につけるのが先送りになり逆効果ですよね。

次に授業のスピードが桁違いです。
私のいたような少人数どっぷり指導型の塾でも、カリキュラムも問題量も学校とは比べ物になりません。
ましてや、灘や御三家の人数を競い合っている大手さんは、はっきり言ってその最難関に合格させるカリキュラムを塾生全員に指導しているので(事実、レベル別クラスでも同じ教材・同じスピードというところの方が多い。)、子どもの自力のみではついていけない子の方が多くて当たり前ではないかと思います。
もしも、受験勉強スタートが遅めで、後者のタイプの塾に入ったけれど全くついていけない・・・という場合は、すでに周りの子達が2巡目、3巡目である単元であるのに対して、自分は初めて。
講師の説明もたびたび省略されていて、理解が追いつかない。
ということもあります。

塾選びのコツにもつながりますが、カリキュラムが速ければ速いほどなんだか高いレベルまで導いてくれそうな気がしますが、それはちがいます。
例えて言えば、毎日料理をしているからと言って私みたいな普通の主婦がフランスに料理を勉強しに留学に行っちゃって、シェフがまくし立てる技術の説明についていけるのか?みたいな。
本人に合ったスピードでなければ、かなりきつい。
公立の高校受験用の塾では、塾によってのスピードの差はそんなに開きませんが、
中学受験用の塾だと家庭教師から大手まで見れば、三輪車とF1ぐらいちがうかも。

本人が「できない」のではなく、本人に合ったスピードではないということ・・・という可能性もあるということです。
こういった、塾についていけないと感じた生徒の多くの場合、志望校のランクを下げるということで決着をつけてしまうケースが多いようです。

それは、ちょっともったいない気もします。
塾の先生も一生懸命やってくれているし、子どももがんばってる。
でも、消化不良がどんどんと山積みになっている・・・。
ペースダウンすることが返って好成績につながることもありますよ。

例えば、A塾で万年最下位クラスだった男の子がB塾に新6年授業スタートのときに移った。
移ったときの公開模擬テストの偏差値は35でした。
それが、B塾で半年経った頃、偏差値は62まで上がりました。

これは、B塾のスピードがぴったり合っていたということもあります。ですが、B塾の講師だけの力ではありません。A塾で勉強していた3年間で基礎中の基礎はちゃんと理解できていて、
いわば「種」はたくさん持っていたというのも伸びるチャンスにつながったんだと思います。
成績が上がらなかったといってA塾での学習は決してムダではありません。
A塾でのスピードに慣れていたからこそ、B塾の学習をゆっくりだと感じて、とりこぼしなく集中して身につけることができたということもあります。

逆のケースもあります。B塾では成績上位でちょっと鼻にかけるような態度も目立ってきた女子が、A塾の模擬テストを受けてみて、こてんぱんにやられて一念発起。
もっとレベルの高い子達とやりあいたいとA塾へ移動。元々の本命校に上位で合格できる力までつけた。

塾講師の立場として、生徒が去るのはとても寂しいことです。
中には、『塾物語』のユリナ(→まだお読みでない方はこちら。)のように、実力がテストに結びつく瞬間はもうすぐだという手ごたえがあるときには、もう少し待ってくれー!って思います。
また、「○○塾の方がもっと鍛えてくれますよ。」なんて、絶対どこの塾の先生も言わないですからね。(^_^;)
営業成績というものから離れた立場の本音ということで。

もちろん、長期にわたって同じ塾でずっと勉強できるならそれにこしたことありません。
長く関われば当然講師との間に濃密なコミュニケーションが期待でき、きめ細かなケアをしてもらえる可能性も高くなりますし、質問などにもいきやすく、弱点や得意単元、性格にも考慮した志望校選びのアドバイスももらえることにつながりますからね。
教え子は無条件にかわいいっ!
これは、どの塾の講師でもきっとそうです。


□長いのでちょっと休憩□                           
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■□やればできる子をもっと伸ばすために□■

前回に書いたことを、中学校選びにも同じように考えるのは大切なことだと思います。
私学のカリキュラムは、年々加速しているように感じます。
偏差値60ぐらいの学校説明会に行くと、偏差値75ぐらいの学校の名前を出して、
「うちは、○○のカリキュラムと同じかそれよりもむしろ速いくらいです!!」と
言うところあります。

・・・なんだかなぁ。
そんなんだから、伸びるはずの生徒が息切れしちゃうんだよ!
学校側が自慢している大学実績の大半は、放課後に○○予備校に通ってがんばった生徒本人達の努力の成果じゃないか。
先生の自己満足の授業なんちゃうん?だれのための授業やねん!
なんて思うこともあります。
生徒に聞いても、「うちの古文の先生は、たぶん生徒全員休んでても同じ授業してチャイム鳴ったら何も言わずにすっと帰るな。」なんて話も聞きます。
そういうタイプの先生を容認しちゃっている学校もあるということです。
偏差値が高い学校の上から、優秀な先生が順番に採用されているわけでは決してないですから。

お子さんが今公立小学校に通っている場合、学校の授業はスローペースに感じることが多いと思います。生徒の平均かややその下の子に合わせたスピードですよね。
しかし、だからこそそのレベルの問題を授業中に完全に理解できてしまえるというメリットもあると思います。
ですが、私立の中学になると、クラスの上位の生徒のスピードにあわせて授業が進むというところの方が多い。教科書に載っている内容程度は予習してきていて理解済みという前提で進んでいきます。その中学を第二志望として入学してきたような上位の子にあわせて授業が進んでいくんだという心構えぐらいは持っていった方がいいです。

ある私立中学の先生の話を聞くと、それでもいちかばちかと受験して合格した子は、
もうその制服を着られること、そこの生徒として教室にいられることがうれしくて頑張ってくれるケースも多いけど、
心配なのは、「妥当」と多少余裕を見て合格しているはずと思っている子また小学生まではずっと「優等生」と言われてきていた子の方があぶないということでした。
同じレベルの子たちの中で、速いスピードで進む授業では、今までみたいな余裕はなくて、
自分より下の子がするものだと思っていたような必死な感じで勉強しなくちゃいけない。
それをかっこ悪いことだと思い込んでしまっている。
一桁の順位を見慣れてきて、周りにある程度おだてられてきた子には、
最初のテストの後、結果を見てふてくされるようにずるずるとやる気を失う子も少なくない。
受験の合否が出るまでは、○○中という名前でプライドを保てても、
入学してしまえば周りは全員○○中。
思うように成績が伸びなくて、今まで味わったことのない屈辱感を必要以上に感じてしまう。
もしも部活などに入っていなくて、仲間や仲のいい先輩がいないと、最終的に自主退学ということもある・・・と。


進学校が大学実績をアピールするのはもちろんなんですが、
「うちの学校なら塾や予備校に行く必要はない!」というのが建前でしかなく、
成績上位者のほとんどが塾(それも私立○○中高専門クラスがあったりする)や予備校に通っているというところもけっこうあります。

もちろん、本当に面倒見がよく、放課後補講やこまめな生徒懇談などで学校側の言っているとおりに塾・予備校に通う生徒の少ない学校もあります。

見極めはなかなか難しいですよね。保護者対象の説明会では、やっぱりいいことしか言いませんから・・・。
それでも、熱意とかをびしばし感じる学校は、ありますね!先生陣が若いとやっぱりエネルギーを感じますし、通っている生徒達もいきいきしているような印象を受けます。
学校見学を個別にしてくれる学校もあります。そういうのはぜひ利用してみてください。
入試担当の先生が学校内を案内してくれるところもありますよ。

塾の卒業生が遊びにくるとよく先生のことは話題になりますが、
面倒見がよいなと感じている学校の生徒は、先生を名前(またはあだ名)で呼んで話をしてくれます。そうでないなと私が感じている学校の生徒だと、「数学の先生は・・・」「世界史の先生はな・・・」と科目+先生と呼ばれています。


やればできるわが子を、さらに伸ばしていける環境として、イメージではなくてきちんと学校の先生や現在通っている生徒達の登下校などの表情や、クラブ活動などの活躍ぶりなど、可能な限りは触れてみて決めていきたいですね。

前回の話にも少し関係しますが、4・5年生だとこれからまだどう成績が上下するかわからないしどのへんの中学を中心に見ていけばいいかわからない・・・というのでしたら、塾の先生にこんな質問をしてみてください。塾の先生がどの程度よく見てくれているかもわかるかも。

「うちの子はどこぐらいにいけそうですか?」だとね、営業入ってかなり希望的観測楽観的予想で言われると思いますから、↓こんな感じで。
「この時期にうちの子と同じぐらいの成績だと、どのぐらいの学校に進学されている生徒さんが多いですか?このまま維持・・・だとどこあたりで、ぐっと伸びた生徒さんでどのぐらいですか?」
一般的な人気校だけを言われるとちょっと信用できませんが、「苦手の理科を努力して克服したとすると○○もねらっていけるのでは・・・。」など具体的に返事をしてもらえたりするといいですね。





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